ホッケ講座


ホッケの釣り方

さてさて、今回のお題は春・秋に全道各地で釣り場を賑わすホッケ釣りについてです。
ま、正直な話し、ホッケなどという魚は群れが入っていれば、およそ釣り経験のある方なら特別なことをしなくてもホイホイ釣れちゃいます(笑)
…って、それでは元も子もないので、簡単ですが説明したいと思います。
釣り方も「投げ」や「ワーム」など色々ですが、ここでは磯で一般的な「ウキふかせ」での釣り方です。
簡単に釣れるとは言っても青い海にウキが消し込むのはなかなか楽しいものですよ。

タックルについて

ホッケをウキふかせで釣る場合には、だいたい以下のタックルが必要です。

■ロッド
磯竿2号、4m〜5.3mのもの。
本当は1号前後の磯竿で十分ですが、シーズンともなると隣との間隔が1m以下の場合も多くあるので、私は取り込みが楽で迷惑をかけない2号〜3号を使っています。
長さも4m程度で十分ですが、現在一般的な磯竿の長さが5.3mクラスなので、これを使っていただいても良いでしょう。
■リール スピニング2000番クラス、3号ラインが100mほど巻けるもの。
遠投は必要ないので、普段お使いのリールで十分です。
使用する磯竿とバランスの取れた、持ち重りしない軽めのものが良いでしょう。
■ウキ 1号〜2号、中通しまたは環付き円錐ウキ。
深いタナを釣る訳ではないので、もっと軽いB〜4B程度のウキでも十分ですが、軽いとセッティングがシビアになりますので、1号〜2号が適当です。
中通しタイプか環付きタイプかは一長一短ですので、好みで選んでください。
■水中ウキ 使用するウキに対応する重さのものを使ってください。
1〜2ランク軽めにしておくと潮の状態に合わせて浮力調整がしやすいですよ。
■ライン 3号〜4号のナイロンラインを使います。
リールを購入したときに巻いてある場合は、(傷んでいなければ)それで十分です。
■ハリス 2号〜3号のナイロンラインで十分です。
■鈎 チヌ6号程度のものを使います。
自分で結ぶのが面倒ならホッケ用にハリス付きのものも市販されています。
■その他 他にはウキ止め、ウキペット(環付きウキを使用する場合)、スイベルなどの小物を忘れないように。

■その他の小物

■ウキクッション
ウキの上下に取り付けるクッションです。
写真上がT型、下がO型です。
■スイベル
道糸とハリスを接続するために使用します。
■ウキペット
環付きウキを使用する場合、道糸とウキを接続するために使用します。
ゴム製のウキ止めゴムとセットになった商品もあります。
  ■ウキ止め
セットしたウキが道糸を伝って、それより上(リール側)に上がってこないようにするために使用します。
ゴム製、糸製のものなどがありますが、結び目がコンパクトでズレにくい糸製のものがお勧めです。

 

必要なタックルの準備ができたら、これらを下図のようにセッティングします。
ただし、ウキ止めから下の仕掛けは当然リールに巻き取ることができませんので、セットは釣り場に着いてからにした方がいいでしょう。
現地でのセッティングに自信がない方は、ウキ止めの上にスナップサルカンを付けておき、仕掛けは仕掛け巻きに巻いて持参すればいいでしょう。
この場合、感度は落ちますが、ホッケ釣りなら問題にならないと思います。
(潮の状態を見てウキをセレクトすることはできなくなりますが…)

ウキについて

ホッケに限らず、ウキふかせ釣りではその名の通り、ウキが重要なファクターになります。
重さ(浮力)、形状、色など、様々なタイプのウキが市販されていますが、その日の状況に合わせたウキを選択できれば釣りがより楽しめるでしょう。
そこで簡単にウキについて説明します。

●「中通し」か「環付き」か?
円錐ウキには大きく分けて下図のように「中通し」タイプと「環付き」タイプがあります。

中通しタイプ
環付きタイプ

中通しタイプは道糸をウキの中心に通して使用します。
道糸と一直線になるため操作性が良く、トラブルが少ないというメリットがあります。
しかし、ウキを交換するときには道糸を切り、仕掛けを全てリセットしなければなりません。
これに対して環付きタイプはウキペットを介して道糸と接続します。
道糸にかかる抵抗が少ないため糸落ちが良く、ワンタッチでウキを交換できるという特徴があります。
しかし、ウキがぶら下がる形になるため、糸ガラミが発生しやすく、操作性は多少劣ります。
どちらも一長一短ですので、好みで選んでも構わないと思います。

●ウキの形状はどうするか?
一口に「円錐ウキ」と言っても、その形状は様々です。
一般的に形による違いは以下の通りです。

■上ぶくれタイプ
下部より上部の方が太くなっているタイプです。
浮力の中心が上の方にあるので波に強く、潮の流れが速いときや風のあるときに適しています。
■下ぶくれタイプ
上部より下部の方が太くなっているタイプです。
抵抗が少なく、感度がいいので凪のときに適しています。
■中間タイプ
上の2つの中間タイプで、あらゆる場面で使用できます。

ホッケはさほど感度も必要ないうえ、シーズンの春秋には海が荒れていることも多いものです。
したがって、中間タイプか上ぶくれタイプを使用すれば問題ないと思います。

●水中ウキは何のため?
ウキと鈎の間に取り付ける沈降性のウキを水中ウキと言います。
沈むのにウキと言うのも変ですね(笑)
この水中ウキは、潮受けを良くし、マキエと仕掛けを同調させる効果があります。
マキエと仕掛けが同調していれば、寄せた魚を釣れる確率が高くなりますね。
水中ウキは錘の代わりになりますので、使用するウキと同じ負荷(ウキが1号なら水中ウキも−1号)でのものを使うのが基本です。
潮が速いときは1ランク軽い水中ウキを使って、ハリスやチモトの上にガン玉をうつと仕掛けが馴染みやすく、しっかり沈んでくれます。

■水中ウキ
仕掛けを沈め、潮に乗せることでマキエと仕掛け(サシエ)を同調させます。

●余浮力って?
ウキは同じ負荷表示の水中ウキや錘+仕掛け+サシエを付けても沈まずに頭が水面から出ていますね。
この沈まない浮力を余浮力(または単に余浮)と言います。
カタログや商品の説明書には、大抵基準となる仕掛け重量や余浮力をゼロにするための錘重量が載っています。
例えばシマノではハリス2号4m、スイベル14号、グレ鈎6号、クッション、オキアミLで0.47gの仕掛け+ウキと同じ負荷の錘で浮力を管理しています。
これに余浮力を消すための錘を追加すれば、ウキは全体が水中に没し、沈むか沈まないかギリギリの状態になる訳です。
当然、余浮力がゼロに近いほど感度は良くなり、波や風には弱くなります。
ただし、ノーブランドや一部メーカーのウキでは浮力や余浮力の表示がデタラメなものがあります。
(表示通りの仕掛け+錘で沈んではクレームになるので、浮力を強めにしてあることが多いのだそうです)
小さいガン玉ひとつでウキや仕掛けの沈み具合を調整するのはウキふかせ釣りの醍醐味でもありますね。
もっとも、ホッケの場合はそこまでシビアな調整は必要なかったりするんですが(笑)

●市販仕掛けもありますよ!
自作の仕掛けで釣るのは楽しいものです。
自分で潮の流れや波の高さ、風の強さを読み、状況にマッチした仕掛けを作ることは、とても勉強になります。
でも、いつもフルパワー充電100%で釣りができるとは限りませんね。
もっと気軽に釣りを楽しみたいことだってあります。
難しい理論を考えるより、1匹でも多くの魚を釣ることの方がスキルアップにつながりますし、何より楽しいですよね。
そんなときには市販の仕掛けを使うという手もありますよ。
そして、市販仕掛けを使ったら「今日の釣りに、この仕掛けのどこがマッチしなかったのか」を考えてください。
その方が仕掛けを一から自作して失敗するより、はるかに効率的です。

店頭に並ぶ様々な市販仕掛け。
ウキから鈎までの全てがセットになっていますので、あとはロッドとリール、エサがあればすぐに釣り始めることができます。
自作する場合より価格は若干高めですが、最初の釣行では便利です。
1.5号〜2号クラスの円錐ウキや棒ウキがセットになっているものが多いです。

 

タナについて

ウキふかせ釣りではサシエが魚のいる層に漂っていることが大切です。
この魚がいる層を「タナ」と言い、サシエをタナに合わせてやることを「タナを取る」と言います。
魚のいない層にサシエを漂わせても釣果は期待できません。
このタナ取り、なかなか難しいものですが、最初は1ヒロ程度から始めてみるといいでしょう。
「1ヒロ」とは人が両手を広げたときの長さのことで、約1.5mほどになります。
鈎を持って仕掛けを広げ(伸ばし)、反対側の手の位置にウキ止めがくるようにします。
こうすれば仕掛けを投入したときにウキ下が約1.5mということになります。
ただ、仕掛けは潮の影響を受けますので、水深1.5mまで沈むということではありません。

これで釣果が出たなら、このタナをキープして釣り続ければいい訳です。
逆に釣果が薄ければウキ止めの位置を上下することでウキ下を調整し、釣れるタナを探ってください。

タナが浅ければウキを固定して固定仕掛けで釣ってもいいでしょう。
中通しのウキなら下から爪楊枝を挿すだけで簡単に固定できます。
固定仕掛けにする目安はウキ下がロッドの長さ以下の場合です。
ウキ下がロッドより長い場合に固定仕掛けにすると、ヒットした魚の取り込みが大変です。
タナが深い場合や潮が速い場合は、ハリスの真ん中やチモトの上にガン玉を打って仕掛けを沈めるようにします。
ガン玉を打つ=仕掛け重量が重くなるということですから、場合によってはウキを浮力の強いタイプに交換しなければなりません。
ホッケの盛期だとマキエに群がる魚が見えるくらいタナは浅いことが多いものですが…

参考までに、タナに適したガン玉サイズの目安を書いておきます。

2ヒロ(約3m)以下 B程度
3ヒロ(約4.5m) 3B程度
4ヒロ(約6m) 3B〜0.5号程度

ついでに錘の重量表など

■ガン玉
G8
G7
G6
G5
G4
G3
G2
G1
B
2B
3B
4B
5B
6B
0.07g
0.09g
0.12g
0.16g
0.20g
0.25g
0.31g
0.40g
0.55g
0.75g
0.95g
1.20g
1.85g
2.65g

■割ビシ
極小
小々
大々
特大
0.20g
0.25g
0.35g
0.80g
1.00g
1.35g
2.35g

■号
0.3号
0.5号
0.8号
1号
1.5号
2号
2.5号
3号
4号
5号
6号
7号
8号
10号
1.13g
1.87g
3.00g
3.755g
5.63g
7.50g
9.38g
11.25g
15.00g
18.75g
22.50g
26.25g
30.00g
37.50g

これらを参考にして釣れるタナを探ってくださいね。

 

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